ユーザーニーズの深度を明らかにする|SEO記事に網羅性を求められる時代ではない
今回は、ユーザーニーズの考え方について解説します。
とくにSEO記事においては、「読者が有益だと感じる記事を書く」ということが前提に置かれますが、果たして「読者が有益だと感じる記事」とはどのようなものでしょうか?
数年前のSEO記事であれば、この部分を「記事の網羅性」としていました。
しかし、昨今では変化してきていると個人的には予想しています。
この考えについて、掘り下げていきます。
ユーザーの検索レベルは上がっている
今回のテーマの前提として伝えておきたいのが、ユーザーの検索のレベルの高まりについてです。
数年前と比べれば、ユーザーの検索レベルは確実に上がっています。
たとえば、渋谷で居酒屋を探す場合、昔であれば「渋谷 居酒屋」と調べていたかもしれません。
しかし、現在は、ググるレベルが上がっているので「渋谷 居酒屋 個室 女子会」「渋谷 居酒屋 焼き鳥 安い」などと調べる傾向があります。
つまりユーザーは、どのようなワードを組み合わせれば自分の欲しい情報が得られるかがわかってきたのです。
ですから、このユーザーに対して「渋谷のおすすめの居酒屋〇選」という内容を書いても、大して刺さりません。
「網羅性」で記事を書くのは古い
上記でも解説したように、ユーザーは検索ワードの組み合わせが上手になっています。
自分の欲しい情報をどのように検索すれば良いかを理解していますし、検索して得たい内容が明確です。
ですから、従来の記事のように「網羅性」を重視しても、大して意味がないと考えます。
たとえば、「渋谷 居酒屋」というキーワードで記事を書くときに、網羅性を意識すると、下記のような見出しも入れていたかもしれません。
- 渋谷でおすすめのBAR
- 飲み会後に寄りたいお店
- 渋谷で夜遊びにおすすめのお店
- 渋谷の居酒屋に行く際の注意点
これらは、昨今の目的が明確になっているユーザーに対しては、いらない情報です。
仮にこれらの情報を記載しても、下記のように思われるのではないでしょうか。
「BAR?いや、居酒屋に行きたいから調べてんですよ」
「飲み会後に寄りたいお店?いや、そんなのは別で調べるから」
「渋谷で夜遊びにおすすめのお店?いや、別に夜遊びとかじゃないから」
「注意点でナンパに注意?いや、だから個室探してるんだけど」
そもそも、BARに行くなら「渋谷 BAR」と検索しますし、飲み会後に寄りたいお店なら「渋谷 朝まで ダーツ」で検索します。
ですから、網羅性という概念は、現在であればそこまで広げる必要はないという見解です。
よく見られがちな「〇〇とは?」はいらない
SEO記事では、よく冒頭に「〇〇とは?」と入りますが、この点についても昨今のキーワードにおいては必要ないと感じます。
たとえば「渋谷 居酒屋」のキーワードの場合、従来の記事では
「そもそも渋谷ってどんな場所?」
「居酒屋とBARの違いは?」
のような見出しが入っていたかもしれません。
正直なところ、昨今の記事でもこのような見出しを設けている記事は多くみられます。
しかし、そもそも渋谷で居酒屋を探している人が、渋谷がどんな場所か知らないでしょうか?居酒屋とBARの違いを知らないでしょうか?
渋谷という場所を知っているから渋谷で飲もうと考えていますし、居酒屋とBARの違いなんて、「渋谷 居酒屋」で調べる人が知りたい情報ではないのです。
このあたりはペルソナによっても異なりますが、とにかく詰め込めばいいわけではないのです。
ユーザーニーズにより近い記事を提供する
弊社では、記事を書く上で最も大切にしているのは、ペルソナの掘り下げです。
ペルソナが本当に求めている情報がどのようなものなのか?
を明確にしなければ、ユーザーニーズを満たす記事を作成できないと考えています。
しかし、昨今でも「それってこの検索ワードを調べる人にとって本当に必要な情報なの?」と思われる内容もよく見られます。
そのような記事の大半は、すぐに離脱されてしまうでしょう。
そのような記事でSEO上効果がまったくないとは言い切れませんが、結果的に離脱率が増えればSEOの効果も下がりますから、あまり意味はありません。
弊社では、このような記事にならないように必ずペルソナを明確にします。
「年齢、その情報に関する知見レベル、何を知りたいのか?、読後にどのような行動を起こしたいのか?」
これらを明確にして記事を作成しております。
そして、この考えこそが単にSEO効果だけではなく、お問い合わせに繋がる記事だと考えています。
名城 政也/Masaya Nashiro
琴線に触れる株式会社 代表取締役