紙媒体とWeb媒体のライターの違いとは?
ライターと一重に言っても、得意としているジャンルやバックグラウンドは多様です。
そのなかでも、よくライター界隈でも話題になりやすいのが「紙媒体とWeb媒体の違い」。
代表の私自身、Webライターとして仕事を始めているため、紙媒体出身の方から厳しいご指摘を受けた経験があります。
そこで今回は、自身の経験に基づき、私が感じた紙媒体とWeb媒体の違いについて解説します。
紙媒体とWeb媒体ではどちらのライターが優れているのか?
紙媒体出身のライターとWeb媒体出身のライターでは、文章に対する向き合い方は異なるものがあります。
やはり、紙媒体は一度印刷してしまえば直せないという制約上、かなり文章の扱いに厳しいです。
一方で、Web媒体は、たとえ誤字・脱字があったとしても後から修正できます。
であれば、紙媒体出身ライターの方が優れているのか?といえば、決してそうは言い切れないのです。
そもそも論としてターゲットが異なる
紙媒体出身とWeb媒体出身では、そもそもターゲットへの考え方が異なります。
紙媒体は、本を購入してまでその知識を得たい読者をターゲットとしているわけですから、専門的かつマニアックな内容を記載する傾向にあります。
一方で、Webはふと疑問に感じたことを調べてたどり着く媒体であり、無料で読めるものなので、幅広い層向けの内容になります。
ただし、Web媒体でも会員登録や費用が発生するものであれば別です。
では、これらの違いでどのように書き方に違いがでるのか、以下でわかりやすく解説します。
当たり前のラインをどこに引くか?
紙媒体出身ライターとWeb媒体出身ライターでは、ターゲットへの考え方が異なることから、記事内での「当たり前」のラインが異なります。
上記で解説したように、紙媒体は本を購入してまで知識を得たいターゲットへ向けているため、当たり前の基準は高くなります。
例えば、音響機材のミキサーというものには、フェーダーというものがあります。
この「フェーダー」は、音響機材に知見がある人であれば、当たり前に知っているものです。
ですから、音響関係の雑誌を読んだ際に「フェーダーとは何か?」まで記載する必要はないと考えられます。
読者はお金を払って深い知識を得るために読んでいるわけですから、当たり前に知っている知識についてわざわざ解説されても
「いや、知ってるよ」
「こんな当たり前のことに文字数を無駄に使わないでくれよ」
「こんな無駄なページにお金払ってるんじゃない」
という気持ちになってしまうでしょう。
しかし、反対にWeb媒体であれば、音響機材についての素人が読んでいると想定されるので「フェーダーとは何か?」までを解説してあげる必要があるのです。
当然ながら、Web媒体の読者でも、フェーダーについて知っている人はいますが、無料のWeb媒体は読み飛ばせます。
「知っている人はここは飛ばしてくれていいよ、でも、知らない人のために一応解説しておくね」というスタンスです。
これに対して紙媒体は「この用語について知らない人はいないよね、むしろそんなことを伝えることが失礼だよね」というスタンスかと思います。
紙媒体は顧客ロイヤルティの向上、Web媒体は新規顧客獲得
ここまでで解説したように、紙媒体とWeb媒体では、そもそものターゲットが異なり、目的も異なります。
強いて言うならば、紙媒体は顧客ロイヤルティの向上が目的であり、Web媒体は新規顧客獲得が目的です(もちろん、異なるケースもあります)。
このように、ターゲットも目的も違うわけですから、紙媒体・Web媒体で優劣はつけられません。
大切なのは目的に合わせた書き方
紙媒体においても、Web媒体においても、大切なのは「目的に対してどのように記事を展開するか?」だと考えます。
読者に対して、より深い知識を与えること、つまり顧客ロイヤルティの向上が目的であれば、専門用語も使いながら伝えていく内容が良いでしょう。
しかし、Webマーケティングの観点で新規顧客獲得を狙うのであれば、わかりやすさを重視して専門的用語を避ける、または一つひとつ解説してあげた方が良いです。
稀に紙媒体出身ライターとWeb媒体出身ライターでバチバチする光景も見かけますが、そんなものは不毛な争いでしかありません。
お互いに違う目的とターゲットに向けているわけですから、相容れないのは当然です。
ですから、共に仕事をする場合には、事前に「これはどういう目的で、どんなターゲットだから、こんな内容にしていきましょう」とすり合わせしておくと良いです。
……
と、諸々と私の考えを述べましたが、やはり紙媒体の方は言葉、文章、文法などについてとても詳しく、Web出身の私としては尊敬するところばかりです。
ただ、何度もお伝えしているように、優劣はないと考えているので、どの媒体出身という話でバチバチするのではなく、両者の立ち位置や考え方を理解して尊敬しあうのが理想的かと思います。
記事を依頼する企業側も、それぞれの立ち位置やバックグラウンドを理解した上で依頼すれば、ミスマッチを防げるのではないでしょうか。
このあたりについて、「記事を依頼したいけれど、どこに相談すべきかわからない」というお悩みがありましたら、無料で相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください。
名城 政也/Masaya Nashiro
琴線に触れる株式会社 代表取締役